自殺したら龍王の巫女(女)に転生しちゃったんだけど・・・
第3章 龍王の娘としての1日(体験編)
さて、しんみりした空気はひとまず置いといて…俺が生まれてから約1ヶ月、どんな生活をしてたか教えます。
まず、俺が目を覚ますとセレンがミルクを持ってきて飲ませてくれる。
「んぐ…うぅ…んっ」
これがなかなか美味い。なんて言うかほんのり甘いし飲みやすいし…粉ミルクとは違うのかな?
「ふふ、そんなに慌てないでゆっくりお飲みください。」
飲み終わると吐かないように月賦をさせられて再度ベッドへIN。
基本これの繰り返し。俺が思ったことはただ一つ…暇だっ!!
暇すぎる!!何もすることがねぇ!!
と言っても生まれたばかりの赤ん坊だから自分では何もできないし…
セレンやドラグノスがくれたおもちゃもそろそろ飽きたし…
セレーン、暇だよぉ、遊んでくれよぉ。
「あぁ、ううぁっ!!」
「フィーシャ様?どうされました?セレンはここに居りますよ?」
分かってんだよ!だから呼んだのっ!遊んでくれっ!!
「うぅっ!!」
「セレン様、フィラルシェーラ様は退屈されているのでは?」
ん?知らない声だな、誰だ?
ドアの方に視線を向けると、まるで炎を思わせる赤髪をゆったりと結わえた男が立っていた。
うわぁ、何だあのイケメンは。
「あら、リオラ。そう言えば今日からフィーシャ様の側付きとなったのでしたね。」
「はい、遅くなり申し訳ございません。龍王様よりフィラルシェーラ様のお話を伺っていたところ長引いてしまい…」
「そうでしたか。フィーシャ様、この者はリオラ・ワイバーン。本日よりフィーシャ様に仕える騎士です。」
紹介された後、リオラは優雅な動作で俺の前に膝を着いた。
「ご紹介いただきましたリオラと申します。巫女姫、フィラルシェーラ様。以後お見知りおきを。」
うん、何かいろいろツッコみたいけどイケメンだから許すわ。
とりあえずこちらこそよろしくな。えっと名前がリオラだっけ…
「いぃ…うぅ…」
あぁ、やっぱうまく言えないわ…ごめん。
「あぁ、私の名前を呼ぼうとしてくださるとは…なんと心優しきお方だ。是非、立派なレディとなられたときに改めて…」
リオラは俺の手に口付けるとやっぱり優雅に後ろに下がった。
わぁ、手にチューされたぁ…これってすべての女の子の憧れってやつじゃねっ?
でも、リオラが側付きになったってことは…少しずつでも生活が変わるってことかな。
