第2章 トキメキ
意外なようで、まったく意外ではなかったのか、認めたとたんまるで元々あったもののように、俺の感情の中にストンと落ちた
でも……
だからといって突き進んでいい思いではない
メンバー同士
男同士
俺たちはアイドル
たとえ異性とだって繋がりを周りにばれてはいけないのに
進行役の俺はカンペを確認しながら、メンバーやゲストに次々と話を振っていく
いつもどおりにと思えば思うほど意識が偏ってしまう気がしてならない
困ったら、ニノがすかさず助けてくれたり、オチを智くんにお願いしたり、フォローしてもらっているという自覚は十分あった
休憩の間も落ち着かず、新聞を開いてはいるけど、読んでいるはずの字の羅列は記号としか見えず、内容が入ってこない
今日何度目かのため息をついたとき