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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第30章 映る


その後すっかり夜も更けた。マヤはリヴァイ班全員とミケと一緒に、大きな食卓を囲んでいる。

大きな丸太小屋、大きな部屋に大きな食卓といえども、さすがに訪れた調査兵全員が一度に座ることはできない。サビがそのすじでは有名な嗅ぎ師で、彼女に救いを求めて訪ねてくる客がいるので、一人暮らしの老婆にしては不釣り合いの大きさ。なんと一度に七人が座れる、立派な一枚板の食卓である。

だが急遽押しかけた調査兵は十一人。そのうちの二人が毒ぶゆに刺されて寝込んでいるとはいえ、九人が同時には座れない。

そこで食事は前半と後半に分けて頂いた。

前半がリヴァイとリヴァイ班の四人のエルド、グンタ、オルオにペトラ。後半がミケとミケ班の三人のタゾロ、マヤ、ギータ。毒ぶゆに刺されたジョニーとダニエルはサビの調合した薬がよく効き、ぐっすりと眠っている。

交代で食事を取り、後片づけを手伝い、自由時間となった今、マヤは食卓の椅子に座っていた。

「俺、こんなに大量に卵食ったの初めて」

グンタがあたかもパンパンに張っているかのように、腹を大げさにさすってみせた。

「卵ってあんなに色々調理方法があるんだな。俺、あのふわふわのが美味かった!」

オルオがスフレオムレツを思い出して舌なめずりをする。

「美味しかったよね~! サビさんに作り方を教えてもらおうかな」

「お前料理できんの?」

疑わしそうな顔のオルオをペトラは一喝する。

「できるわよ、失礼ね!」

「いやだって作ってるとこ見たことねぇし…。見栄張らなくていいけど…?」

「見栄じゃないわよ!」

ペトラとオルオがやり合っていると、

「おやおや、にぎやかなこった」

とサビが外から帰ってきて、空いている椅子に腰をかける。

「サビさん、ごはん全部美味しかったです」

エルドがにこやかに礼を言うと、サビが嬉しそうに顔をしわくちゃにして笑った。

「うちの卵は新鮮で味も濃いからね。栄養もあるのさ」

マヤは隣に座っているミケに小声で話しかけた。

「分隊長が卵料理が好きなのも納得の美味しさでした」

「久しぶりに食ったが、やっぱり美味い」

「おや!」

耳ざとく聞きつけたサビがミケを見る。

「あたしには一度たりとも美味いなんて言ったことはなかったが、その子の前ではやけに素直じゃないかい」


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