第27章 翔ぶ
「ペトラもね、気にしなくて大丈夫だよって言ってくれたんだ。リヴァイ班での訓練のときは兵長、いつもどおりで何も変わったところはないんだって。だから単に忙しいからなんじゃないのってペトラは言うの」
ブルブルブル…。
「私もそういう風に思えるようになってきたわ。大体リヴァイ班じゃないのにずっと補佐をするのも変だし、また兵長が本当に必要なときにお手伝いできたらいいかなって。ごはんだってまた一緒に食べられるときがくるよね?」
ブルブルブル…。
「ありがとう。なんだかアルテミスに聞いてもらったら、すっきりしたわ。もう行くね? ヘングストさんがブラシをかけてくれるって」
ブブブブ!
やはりマヤが何を言っているか理解できるらしく、ヘングストのブラシがけの言葉に興奮するアルテミス。
「ふふ、ヘングストさんは上手だもんね。気持ちいいよね」
ブブブブ! ブルッブルッ!
「じゃあもう行くね? また来るから」
ブルブルブル、ブルッブルッ!
アルテミスの鼻に、ちゅっとお別れのキスをしてマヤは蹄洗場をあとにした。
……タゾロさん、席を取っておくと言ってたわ。急がなきゃ!
全速力で食堂への道を行ったマヤは、食堂に入るころには少し息が切れていた。
食堂内を見渡すと、すぐにタゾロたちの席は見つかった。近くにはリヴァイ班の四人と、モブリットにナナバとゲルガー、そしてラドクリフの副長のアーチボルドもいる。なかなか豪華でにぎやかな面子がそろっている。
トレイに昼食を取って近づくと、タゾロがすぐに呼んでくれた。
「マヤ、ここだ」
タゾロは自身の隣の席を指し示す。
「すみません」
ちょうど斜め向かいに座っているペトラが “マヤ、お疲れ~” と声をかけたのを皮切りに、皆が一斉に “お疲れ” だの “う~っす” だの挨拶をしてきた。
それらに笑顔で “お疲れ様です” と返しながらマヤは着席をすると、いつもどおりに両手を合わせて “いただきます” をしてから食べ始めた。