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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第26章 翡翠の誘惑


ようやくマヤが心から新しいドレスを受け入れてくれたとわかって、レイの声は弾んだ。

「ドレスは屋敷の待合室に用意してあるから…」

……早くマヤのドレス姿が見てぇ。

はやる気持ちを抑えるのがやっとだ。

マヤのもペトラのもデザインはディオールに任せたが、ドレスの色だけはレイが見立てた。二人それぞれに似合う色をイメージして。

「ありがとうございます」

礼を言うマヤの声も弾んでいる。

「マヤ、早く着たいね!」

「うん」

「なら、とっとと行くか。次で最後だ。見終わったら屋敷に戻って着替えたらいい」

ドレスを楽しみにしてくれているマヤとペトラのために、レイは足早に “ドレスの間” を立ち去る。

次は何を飾ってある部屋なのだろうかと、三人は予想しながらレイの後ろをついて歩いた。

「最後はなんだろうね?」

マヤの問いにオルオは即答した。

「帽子なんじゃね?」

ドレスときたら次は帽子だろうと結構自信満々だったが、ペトラに全否定されてしまう。

「ちゃんと見学してた? 帽子はドレスと一緒に置いてあったじゃん」

「へ? そうだっけ?」

ペトラだけではなく、マヤも否定した。

「うん。帽子や靴、バッグはあったよ」

「そっか。帽子や靴じゃないんだったら、他に何がある?」

「うーん、時計とか?」

適当に思いついた物を口にしたペトラだったが、オルオとマヤが食いついてきた。

「それじゃねぇか!? 時計とか貴金属とか」

「そうね、宝石とかね。なんとなくこの三階は装いに関係しているものを集めている気がするし」

楽しそうに話している三人の声を聞きながら歩いていると、すぐに次の部屋に到着した。

ミュージアムの三階にある最後の部屋。

レイは答えを宣言しながら、扉を開けた。

「お前ら、正解だ。最後の部屋は “光の間”」

「「「“光の間” ?」」」

正解だというのに部屋の名称が、ぴんと来ない。

マヤたち三人は、少し間の抜けた声で部屋の名前を復唱しながら一歩足を踏み入れた。

するとすぐに “光の間” こそが、ここにもっともふさわしい名前だと理解した。

窓から射しこむ光を受けて、そこに飾られている宝石や装飾品の数々がまぶしく輝きを放っていたからだ。


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