ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第10章 檻の中のLynx
《英二side》
「預かったもの?」
「これくらいのカプセルだ!白い粉末の入ってる!」
「それなら机の上だ!とっとと持って出てけ!」
「威勢のいいジジイだな。だがそれもこれまでだぜ、気の毒だが死んでもらう。」
「なんだって!?ちゃんと喋ったじゃないか!」
「そうはいかない。余計なことを見たからな…。お前は連れていく。もっともここで殺してやった方がお前には親切かもしれんがな。…アッシュから聞いたか?ガキを調達してくる役があの白ブタマービンさ…知ってるだろ?ディノの親父は女がダメなんだ。男のガキじゃなきゃ役に立たねえんだと。」
「…え、男だけ…?」
「ああ、そうだ。あ?…なんだ?もしやお前ユウコの過去のことも知ってんのか。」
「…いや、詳しくは。」
「あいつは、ディノの愛玩ペットだ。それはアッシュもだが、男じゃねえあいつはディノの相手はしない。主に悪趣味なジジイどもの相手と……アァ…もうひとつは俺からは言いたくねえな。いつかアッシュの口から聞けよ。」
急にオーサーの眉にシワが入った。
「まぁ、おまえがディノのおもちゃにされたらアッシュはさぞ苦しむだろうぜ。自分のせいで友達が自分と同じ目に遭うんだからな。」
「卑怯者!そんなきたない方法でしかアッシュと戦えないのか!」
「…なんとでも言えよ。俺はヤツに散々コケにされたんだ。ヤツをひと思いに殺ったりはしねえ。とことん苦しめ抜いてやる…。ヤツの大事にしてるものは片っ端から取り上げてやる。スキップも死んだ。ショーター・ウォンもいずれ捜し出して殺す。おまえはあのホモジジイに叩き売ってやる。」
「…それでユウコのことも探してるっていうのか?」
「あいつは違う。…あいつは、…いやいい。なんとでも言えよ。お前はアッシュと違って銃は使えない。麻薬漬けにされて骨までしゃぶられろ!…それとも、廃人にされる前にハラキリでもしたらどうだ?そん時はアッシュを呼んでやる。」
カチャ…
「ハラキリすんのはお前の方だぜ…オーサー。」
誰かがオーサーの頭に銃を突きつけている。
「…ショーター!?」
「えっ…」
…この人がショーター・ウォンなのか?
「よくもまぁベラベラと…見張りがやられたのも気付かなかったか?物騒なもん出せ。ボスの頭に穴があくぞ。」