ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第10章 檻の中のLynx
《英二side》
ここか。
ノックをして診療所のドアをあける。
「すみません、ちょっとーーお聞きしたいこと…が…」
そこに立っていたのはオーサーだった。
「?!」
「待ってたぜ、サムライボーイ」
オーサーは僕の顎を乱暴に掴んでドクターに話しかける。
「よお、ドクターメレディス。このジャパニーズボーイは知り合いかい?」
「…しらん。初めて見る顔だ。」
「アッシュ・リンクスを知ってるな?ヤツがここに出入りしているのはわかってんだ。感謝するぜ小僧。お前がアパートから出た時からずっとつけていたのさ。そしたらここを教えてくれたわけだ。」
…なんだって!?
「ユウコ・リンクスはどうしてる?」
「…ユウコ?あれ以来会っていないんだ。」
アパートにユウコがいることはバレてないんだな…
「ふん、まあいい。お前、アッシュに何を頼まれた?」
「…何をって?」
「とぼけられる立場だと思っているのか?ええ?…お前はパパ・ディノへの大事な土産だから傷ものにするわけにいかないからな。…おい」
オーサーはそう仲間に声かけると、その仲間は看護師の首にナイフを突きつけた。
「やめろ!ミス・ブランディッシュに手を出すな!」
「さあ言いな。嘘をつくなよ?嘘をついても直ぐにばれる。この女が死んでもいいのか?」
「…預かったものを…受け取るようにって…言われた」
………アッシュ、ごめん。