• テキストサイズ

ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第10章 檻の中のLynx


《英二side》

「伊部さん、僕ちょっと出かけてきます。買いたい本があるんで。」
「いいけど…気をつけろよ?危ないところには行くんじゃないよ。あ、少年マガジンの新しいの入ってたら買ってきてよ。」

「わかりました。」

…ごめんなさい、伊部さん嘘をついて。
でもアッシュは僕を信じて頼ってくれたんです。
裏切るわけにはいかないんだ。

街に出てチャイナタウンへ向かう。
伊部さんに怪しまれないように、普通の格好で出てきちゃったけど…これじゃまずいよな。

服屋でサングラスと派手目のスカジャンを買う。

…これで馴染める、わけないけどまぁさっきのよりはマシだ。
チャイナタウンもまぁおっかないって聞いたけど、今更ビビっても仕方ないよな。


付近にはついたけど、店が見当たらない。
近くに座る男に聞くとものすごい敵意を向けられる。

「ウォンの知り合いか?」
「い、いや僕は、アッシュ・リンクスの使いで来たんだ。」

「アッシュの…」
「ショーター・ウォンに会いたいんだ。“張大”って店教えてくれる?」

「ヤツはいねえよ。ここも物騒でな。オーサーの手のヤツがヤツを血眼になって探し回ってやがるんだ。」
「お前も滅多にショーターの名前を口にしねえほうがいいぜ?」

…こんな所にもあいつの手が。

張大を見つけ中に入る。
そこには店員らしき女性と中華料理屋っぽい店主がいた。
ショーター・ウォンはいない。
いなくなってから1ヶ月程になるそうだ。

「…それじゃあ、ドクターメレディスってご存知ありませんか?」

「ドブさらいの?」
「…ドブさらい?」

「もぐりで堕胎をやってる産婦人科医のことヨ。ボーヤ、女の腹ふくらましたの?見かけによらずなかなかやるネ!」

「そ、そんなんじゃありません!!」


アッシュ、ガッカリするだろうな…
僕はとりあえず教えてもらった診療所まで行くことにした。
/ 729ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp