ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第10章 檻の中のLynx
アッシュが刑務所に入ってから、私はリンクスのメンバーに1度だけ会い、詳細を伝えた。
「ボスが…ムショに。」
『うん、でもチャーリーたちがバックアップしてくれてるからこれ以上のことにはならないはずだよ!…だって、アッシュは無実なんだから。』
「あぁ…。それよりユウコ、顔色が悪いぜ?ボスとのあの部屋もオーサーたちが見つけてるし…これからお前どうすんだよ。」
「オーサーがお前のこと探してるって聞いたぜ?」
「俺たちのところ、くるか?」
『それなんだけどチャーリーに、身を隠す意味もあって行動を共にして欲しいって言われててね?もう部屋を用意してくれたんだ。』
「…!そうか、それならボスも安心だな!」
「色々落ち着くまで元気でいてくれよ!」
『ありがとう、…みんなもね!』
髪を結んで帽子の中に隠し、サングラスをかける。
そして足早にその場を離れ、チャーリーの借りてくれたアパートに戻る。
『あ、…エイジ。』
「っ!…ユウコ!おかえり。どうだった?」
私の部屋のドアに背をあずけて帰りを待っていてくれたらしいエイジが迎えてくれる。
チャーリーは、私が心細いのではないかとエイジとイベさんが泊まる部屋の隣を借りてくれた。
『待っててくれたの?ありがとう。…ごめんね、心配かけちゃって。ちゃんと話してきたよ。』
「キミが帰ってこなかったらどうしようって、落ち着かなくてさ。…そうか、良かった。」
私はエイジを部屋に招き入れる。