ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第10章 檻の中のLynx
《アッシュside》
俺はベッドの上に寝転んだ。
3日間か、その間は誰にも邪魔されることもない。
3日間で考えるんだ、これからどうするか。
何が最善か。
ディノ・ゴルツィネ…
あのタコぼーずは一体何を企んでいやがるんだ
ヤツが何を企んでいようと、
必ず俺は…俺たちは…。
10才でマービンに目をつけられ、11才でヤツらにとっ捕まって以来…ずっと、ずっと俺は待っていた。
自由になる為には、ヤツと戦うしかないんだ。
決して許さない。
ムシケラみたいにスキップを殺しやがって…
ヤツがどんな手を使おうと必ず俺は切り抜けてみせる。
今までの俺は、
ユウコさえ無事なら、自分がどうなろうとも…と考えていた。…でもそれは間違っているのではないかと思い始めている。
俺はどこかで、あいつのために自分の命を盾にすることで…あいつを苦しめた罪から許されようとしてたのかもしれない。それはまるで自傷行為のように。
だが、あの時のエイジの力のある目は、目を覚ませと言っているようだった。
罪の償い方は、無謀な死だけではないと今なら思える。
その為にも、俺は簡単に命を落とすわけにはいかない。
そうだ、
必ず勝って、生き抜いてやる!!
俺は考え続けた。
そして、
「出ろ」
3日が経ちドアが開けられた。
看守に連れられ、またクソみたいなヤツらの集まる所へ戻された。
「…出てきたぜ、おてんばが。」
「へへへへ…」
…チッ
「いいか、これに懲りて少しは大人しくしろよ!」
看守は俺を睨みつけそういうと離れていった。
「おかえり、反省房帰りにしちゃあ元気そうだな」
「俺は生まれてこのかた、1度も反省ってヤツをしたことがないからな」
俺は外に出て、石で出来た椅子に座る。
久しぶりの太陽の光は眩しかった。