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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第10章 檻の中のLynx


《アッシュside》

「こっちが工作室で、でこっちが面会用のホールだ。」

で、あっちが…なんて案内される。
ひと通り頭に入れつつも周りから向けられる視線がかなり気になる。

「なあ、なんでみんな俺をじろじろ見ンのかな」
「…新入りはたいてい珍しがられるんだ。それにお前は若いからな。」

「ふん」

「おい、アッシュ。なあーーーお前あんまりひとりで出歩かんほうがいいぞ。」
「?…なんで。」

「だからさーーつまりその…わかんないのか?」
「だから、何が」
「ここは男ばっかの刑務所なんだぜ?若いヤツはそれだけで“お姫さま”にされちまうってことだよ。」

「………」

…は?お姫さま、だと?

言葉を失っていると

「でもそう気にしなくていいさ。俺が切り抜ける方法教えてやるから!」



そろそろメシの時間だ、ということで食堂に向かう。

…こんなもん食わされんのかよ

「ちっ、ひでえーな…救世軍のスープだってもっとマシな匂いがするぜ」
「まあ慣れるまで時間はかかるけどな…そこに座ろう」

空いている席に向かっていると、視線は相変わらず全身に刺さる。

「よーっ!えれぇかわいいじゃん!」
「夜ばいしちゃおうかなーっ!」

口笛をピーッと吹かれながらそんな言葉が飛ぶ。

それを聞いたおっさんは、

「だからな?なるべくひとりっきりにならねえほうがいいよ」
「あんたはどうなのさ…やけに親切じゃないか」

「おっ、俺が!?ジョーダンじゃねえ!俺は心配してやってるだけじゃねえか!」

そういうと肘をついて顎を乗せムスッとした顔になった。…これはただの親切なのか。

「………」

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