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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第27章 眠り姫


《英二side》

「ヘーイ、オレだよ“フライ”だ。ぶっとばさないでくれよ、白い悪魔の若だんな」

誰だろ?

「なんだ、フライか…出てこいエイジ、大丈夫だ」

「いよォ、お久しぶり!風の噂じゃあんたもついに命運尽きたと?だが目の前にいるのはユーレイじゃなさそうだな」

「お前ならユーレイ相手にも商売しそうだな」

「ご希望のモンを色々用意してきたぜ、何しろ時間がなかったから苦労したが…S&Wコンバットマグナム、あんた仕様にチューンナップしてある。相変わらずご愛用かね、この古めかしいリボルバーを…どうせならこいつはどうだい?コルト・ガバメント45」

「俺には必要ない」

「なんで?こっちの方が便利だぜ?操作も簡単だし、より多くの敵を倒せる」


「だからさ……歯止めがきかなくなる」

「!」

僕はアッシュの言葉に思わず反応してしまった。

「俺には用のない代物だ…だが仲間たちにはいいだろう、使いやすそうだ。こいつを3ダースほど用意してくれ」

「ふ〜ん…あんたは古いタイプのスナイパーだな、プロ気質ってヤツかい?」

「バカバカしい、人殺しに気質もへったくれもあるか…余計なことを言わずに他のを見せな」

「フーッ、わかったよ。それからこいつはイングラムM10、45のサブマシンガンだ。30連のボックスマシンガン使用で毎分900発の連射速度だ。小回りがきくんでいざって時、頼りになるぜ」


うわあ…すごいたくさんの銃だ。
この人は武器商人かァ…。

「ところで、大層な金額になるぜ?支払いの方は大丈夫なんだろうね、若だんな」


『誰かと思ったら…フライ?』

声に目を向けるとそこには、お風呂上がりのユウコがタオルを首から下げて先ほどまでのドレスを手に立っていた。


「おぉ〜ユウコ!姿が見えないと思ったらシャワータイムだったか!…スンスン、いい匂いがするぜ」

武器商人のフライがユウコの首筋に顔を近づけ大袈裟に匂いを嗅いだ。

「フライ、ここで死にたいか」

「おおっと…安心しなよ若だんな、オレぁ人のものには手を出さない主義なのさ!…山猫の番は健在、と」

「黙れ。…支払いの件だが、心配するな。じきにバイヤーの“チェック”がやってくる」


アッシュは左耳のピアスを外し、フライにポイッと放り投げた。
あれ、アッシュ…ピアスなんてしてたっけ?

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