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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第9章 無茶すぎるお願い



「なんだって?」

焦る私の顔を見たショーターは心配そうに声を掛けてくれる。

『アッシュ…なんかまずいことになってるって…1時間後にまた掛けるって…』
「…そうか、そんなに気ィ落とすなよ!アイツがまずいことに巻き込まれるのなんか初めてじゃねぇだろ?大丈夫だって!」
『…うん、ありがとう。』
「俺も一緒に待っていてやりたいんだが、さっきの暴動で俺の方も結構な騒ぎになっちまってるらしくて…」
『…あっ!そうだよね…大変な時に一緒にいてもらっちゃって……ごめん…どうもありがとう。』
「ああ、しばらくまた連絡取れなくなるけど元気でな。」


私たちは都合に合わせて、それぞれ仲間たちと住処を転々としている。その間はお互い連絡を取らない。
それにショーターはチャイナタウンのボスだ。今回の暴動もあってオーサーが放っておかないだろう。


私はひとり1時間後まで近くのカフェで時間を潰すことにした。



ーーー1時間後


「ユウコか!やはりまずいことになった!州立フォークナー刑務所にアッシュが送られることになった!それでその前に、現在そこにぶち込まれてる知り合いに話をしに行くことになってな…」

『まって、まって!…話に着いていけない!』

「…ああ、悪い。とりあえずキミには詳しく話をしたいんだがなんせ時間がなくてね…これから例の刑務所に行かなくちゃいけない。」

『それ、私も行っちゃダメかな…?』
「……そうだな、わかった。今から州立フォークナー刑務所に来れるかい?着いたら連絡して。迎えに行く。」




近くでタクシーを拾って行先を伝える。
運転手に不思議そうな顔をされたが、私だって不思議なんだ。…さっきチャーリーはアッシュが刑務所に送られるって言っていたような…、それが聞き間違いじゃないのだとしたら何故?
殴られてひどい傷を負ったアッシュが護られることはあっても捕まるなんて…。


「ここでいいかな?」
『あ、はい!ありがとうございます。……あっ!』

私の乗ったタクシーに近寄ってきたのはチャーリーだった。コンコンと窓を叩かれ、運転手は窓を開ける。

「これで足りるかい?釣りはいらないから。ユウコ、早く。」

チャーリーが出した金額に運転手は目を丸くして、サンクスと言った。

私はタクシーを降りてチャーリーに着いていく。

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