ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第25章 友よ
《アッシュside》
「アッシュ…!アーッシュ!!はなせ、はなせよぉ!!」
ショーターに続いて、エイジもこの場所から連れていかれてしまった。
「…エイ、ジ…どこへ、連れていくつもりだ…」
「言っただろう?あいつは昔のお前と同じ運命だ…そうだ次はこのジジイ共に薬を使って殺し合いをさせてやろうか」
「…!」
「お前は耐えて生きのびたがサムライボーイはどうだろうな?薬を使う前に死んじまうかもしれねえ」
「なんて…ことを!」
「貴様は本当に最低なやつだな!」
「はっ…ジジイが吠えてら。ユウコ、お前は結局…俺のものになると誓うことも、アッシュをその手で殺すこともしなかったな?」
オーサーはユウコの顎を掴みあげた。
「さっきも言ったとおり、今度はサムライボーイに薬を投与してアッシュを殺すよう暗示をかけてやるよ」
『……っ』
「アッシュ、そうなったとしてお前はヤツを殺せるか?え?…ヤツを殺さなきゃお前自身が死ぬんだ。お前は生きるために何人も人を殺してきたんだろう?今度もそうするがいい…ショーターと同じように、大切な友達をお前が生きるために殺せ」
「…もう、やめてくれ…頼む…俺を殺してくれ…頼むから…」
「さすがのお前も堪えたようだな…だがまだ楽にしてやるわけにはいかん、たっぷりと時間もあることだしな?お前が泣き叫んで、楽にしてくれと喚く様を見せてくれよ…」
「…っう、…く…ぅ」
「そうだな…まずはこの場で、お前の目の前で…こいつを犯すのもいい。なあ、どうだユウコ」
手元のナイフでユウコのドレスを乱す。
『…っ』
「ふんッ…おら行くぞついてこい」
するとユウコは俺の足にしがみついた。
「……っ、ユウコ…」
「何してンだ!早く行くぞ!」
『………』
それでも離れないユウコにオーサーはえらくイラついた様子で攻め寄った。
「…いい加減にしろよ!他の男の首輪なんか着けやがって!」
『…やっ!やだ、お願いやめて…っ!!』
ブチッ、
俺の着けた華奢なネックレスチェーンを、オーサーは引っ張り上げていとも簡単にちぎった。
『…っあ!…や…ひ、どい…っう、ぅ』
「っるせえな!」
それを俺の足元に投げつけると、後でくると言って乱暴にドアを開け外に出ていった。