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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第22章 不仕合せのlove bite


《アッシュside》

両サイドの使用人が突然ザワザワと騒ぎ始めた。

「なんだ、騒々しい」

「あのパパ、実はユウコ・リンクスの姿が見当たらず支度を始められないそうで…」

「なにィ?」

ユウコがいないだと?
確かに、さっきマシューもそんなことを言っていたな。




「ユウコの居場所なら知ってるぜ?」


騒然とする中、そう言い放ったのはオーサーだ。

「どこにいるのだね?」

「1階、西側の客間だよ」


それを聞いた使用人はどこかへ電話を掛けながら部屋を出ていった。1階西側の客間といえば、この屋敷にしちゃあ狭い部屋で要人の部下などに宛てがわれる部屋のはずだ。どうしてユウコがそんなところにいるんだ?そして何故それをお前が知っているんだ。


「なにか言いたそうな目だな?アッシュ」

「…ああ」

「お前がここへ到着するまでの間、俺はユウコとそこにいたのさ」

「あいつに何をしやがった」

「あんな部屋ですることと言ったら“ひとつ”しかねえだろ?身体の奥底まで可愛がってやったぜ…残念だが、アッシュ。あいつはもう俺の番だ、手を出すんじゃねえぞ」

「なっ!?まさかお前!ユウコを!?」

オッサンがガタッと音を立てて立ち上がる。


「…あいつが、そうなりたいと望んだのか?」

「バカ!アッシュ!そんなはずがあるわけないだろう!!だってあいつは…ユウコは!!」

「おい誰なんだこのジジイは。あいつはこれからそう選ばざるを得ないことになるのさ、…あいつの腹ン中がな」


俺は拳でテーブルを殴る。
ガチャンと音を立ててワイングラスが倒れ割れた。


「あ?何をそうイラついてんだよ、アッシュ。俺はかつてのお前があいつにしたのと同じことをしたまでだぜ?」

「アッシュがお前と同じだァ?デタラメ言ってんじゃねえぞ!アッシュがそんなことするわけ」
「おい!こいつはお前らのことを何も知らねえようだな?」

「………ッ」



「いいぜ?俺が教えてやるよ、こいつが何をしてきたか。…かつてこのアッシュ・リンクスは、泣きじゃくるユウコ・リンクスの服を剥ぎ押さえつけて、大勢のお偉いお客様方が見守る前で処女を奪いやがったんだ

…なあ?そうだろ?アッシュよォ」


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