ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第21章 New York
「…そんな馬鹿な話に騙されると思うのか!?ショーターはお前のような卑怯者じゃないぞ!いい加減人を陥れるのはやめたらどうなんだ!」
「おい聞いたか?随分と信用されたもんだなァ?ショーター」
「………」
「キミがアッシュを裏切るわけなんかない…うそなんだろ?ショーター」
「……っ」
「ねえ!ユウコもなんとか言ってよ!」
『……ショ、…あ』
私が話そうとすると、黙れというようにディノに手を握られる。
『………』
「…ユウコ?」
「連れて行け、彼にはこれから大いに役に立ってもらわねばならん」
そのディノの言葉を合図に、周りを囲んでいた男たちはエイジを取り押さえた。そして、ショーターは扉の外へ連れ去られていく。
「ショーター!!」
「エ、エイジ!!」
「ショーター!言ってくれよ!うそなんだろ?!オーサーの言うことはうそなんだろ?!?」
「エイジ…ユウコ!許してくれ、俺は…俺は必ず!!」
「ショーター!!」
『ショーター…?!ね、ねえ、パパ…ショーターはどこに連れていかれたの?』
「うん?……なに…あとでわかるさ」
そう言って立ち上がり、私の頭にポンと手を置いた。
そしてエイジの元へゆっくりと近づくと、顎を掴みあげた。
「よしよし…かわいい子だ。お前にもこれから色々と役に立ってもらわねばならんな」