ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第21章 New York
「ユーシス、彼を気づかせろ」
「我认为最好像这样留下来…(このままにしておいたほうが親切だと思うけど)」
「ユーシス!」
「…わかりました、兄さん」
ユーシスさんは髪飾りから長い針を取り出し、エイジに刺した。
「ハリ麻酔ですよ、お聞きになったことがおありでしょう」
「……」
すると、エイジは「……ん」と声を上げて、ゆっくり目を開けた。
「エイジ!」
「………?」
ぼんやりとしているエイジをみて、心がギュッと掴まれたように痛む。そんなエイジの後ろに回り込んだオーサーは、顔を覗き込みながら「俺がわかるか?サムライボーイ」と声をかけた。
「!……オーサー…」
「どうやら正気らしいな…心配するな、アッシュはじきにここへ来る。お前を助けたい一心でな」
……アッシュが?ここへ来るの?
「はじめましてだね、坊や。私はゴルツィネだ…キミのご親友アッシュ・リンクスとこのユウコ・リンクスの飼い主だよ」
「………っ、ユウコ?」
エイジはディノに撫でられる私を、まるで信じられないものを見るかのような目で見た。そして、ヨロヨロと立ち上がった。
『!…エ、エイジ』
膝からガクンと崩れ落ちそうになる所をユーシスさんが支える。
「……危ない。まだ筋肉に痺れが残っているはずだよ、大きく深呼吸して…」
「ユーシス……キミも、捕まったのか?」
「…っはは!たく、どこまで間が抜けていやがるんだ!アッシュもとんでもねえお荷物抱え込んだもんだ!」
「…え?」
「このお方はな、お前らを売ったチャイナタウンの御大将…李の旦那の末の弟君だとよ」
「えっ!?」
「驚くのはまだ早いぜ?アッシュを裏切り、お前をここへ攫ってきたのは、このお方だ」
クイッと親指で指した先にいるのは、
…ショーター。