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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第20章 Los Angeles


《アッシュside》

「……なんてこった…」

「私は、弟が人体実験をしたことを知って薬を取り上げた。永遠に葬るつもりで…だが、」

「処分しなかったんだな、あんたは」

「……私は科学者だ、未知の発見を無に帰してしまうことは出来なかった…」


…ッ…くそ!

俺は耐えきれず、殴りかかった…が、オッサンに腕を捕まれ止められる。

「離せよ!こいつを殴らねえと気がすまねえ!!」


「違う、そうじゃない…俺にやらせろォ!!!!!」


そう言って、オッサンは力強くこいつを殴り飛ばした。


すっ飛んだ先でジジイの肩を支えたのはイベだった。


「シュンイチ…!」

「…助けて、もらった恩を…仇で返して悪いが……っ!」


イベも同じように力強く殴り飛ばす。


「これは、エイジのぶんだ!!」


「…ディノ・ゴルツィネの大いなる陰謀か、もし合衆国が後ろ楯になれば暗黒街のトップに躍り出るというわけか」

「スティーブン・トムソンて男に聞き覚えは?俺はそいつから薬をもらったんだ。そいつはここの住所を教えて死んだ」

「死んだのか…あの男は」

「あんたとヤツの関係は?」

「…彼の弟は、私の弟の実験の犠牲になったんだ…彼は情報将校という立場を利用して情報を集め…執念で私を探し出した…」

「あんたには悪いが、あんたの弟はクズだな」



「………っ!しまった」


まずい、


「どうした?アッシュ」

「シッ」

「!」

「撃鉄を起こす音がした…」

「……な、なに…?」


人数はおそらく7人…

まずったな…俺としたことが入口を背にするなんて…




「役者が揃ったようだな…山猫小僧にロボの旦那、それにドースン教授…そちらはジャパニーズのカメラマン」

「…李のタヌキおやじの手下か?」

「っはは!そうだ、お前たちをニューヨークまでお送りするぜ?」


「…大袈裟だな」

「口の利き方に気をつけろよ小僧…人質がどうなってもいいのか?あっちには…お前の大切な山猫のお姫さんがいたよなァ?」

「…ッチ、別に逆らうとは言ってねえだろ」

「ふん……連行しろ」


その言葉を合図に、俺たちは男どもに囲まれた。

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