ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第20章 Los Angeles
《アッシュside》
「……S O S」
「SOS!?お…おい、今のもしかして…」
「ああ、そうだ…モールス信号さ。あいつらは今車でどこかに移動しているらしい…ユーシスは敵……怖いって、クソ!チャイナタウンが俺たちを売ったんだ!」
「なに!?」
「やっぱりあのユーシスが“イヌ”だったんだ!」
「…い、いやだとしてもショーターがいる!なんとか食い止めてくれるさ!」
「………」
そんなに簡単な問題じゃないんだ…
くそっ…あいつはいつからこの問題を!
誰を連れて車で移動しているんだ…?
エイジやイベは一緒なのか?
俺たちはドースン家につき、急いで屋敷の中に入る。
「おい!エイジ!イベ!……ッ!?」
イベが倒れている。
近くには誰もいない。
「シュンイチ!大丈夫か!?どうしたんだ!」
「…あ…ッ、ゥ……」
「…クソ!」
「おい!どこへ行く気だ!」
「決まってる!チャイナタウンだ!ヤツの戻るところはそこしかねえ!」
「おい待て!…シュンイチが」
「…ち……が、う」
「無理するなシュンイチ…」
「…ニュ…ヨークだ」
「「!?」」
…ディノのところへ?
「…やはりショーターが?」
「糸を引いていたのはあのユーシスだ…あいつはやっぱりドースンの息子なんかじゃなかったんだ」
「…信じられん、ショーターが…どうしてこんなことを…」
「…あいつも中国人なんだ、連中には俺たちの考えも及ばない掟がある。あいつだってきっと苦しかったに違いない…俺がもう少しその辺に気をつけていれば…」
「……」
「ニューヨークにはあいつの姉もいる」
「っ!?……そういうことか!」
「どうやら敵は、タコとタヌキ…2人に増えたようだな!…王龍、許せねえ!」
………ッ!?
「誰だ!!」
俺は突然背後で感じた気配に銃を向ける。
「いるのはわかってるぜ、出てこい!」
「………」
「お前の動きも、心臓の音も…俺には手に取るようにわかる!俺は今最高に頭にきてるんだ!出てこないなら誰だろうがブチ殺すぜ!!」
「ま…まて、撃つな」
「…だ、誰だお前…?」
「それはこちらのセリフだ…人の家に勝手に入り込んで…」
「なんだって?」
「じゃあ…あんた」
「私は、
…アレクシス・ドースンだ」