ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第20章 Los Angeles
動き出した車の中、先に口を開いたのはアッシュだった。
「…ったく、息子の誕生日なら最初からそう言や良かったじゃねえか」
「ああ…悪かったな、付き合わせちまって」
『ううん、少しの時間だったけどジェシカやマイケルに会えて嬉しかったよ。ロボさんだけでももう少しゆっくりできたら良かったんだけど…』
「いや、あれ以上いたら胃に穴が開いちまうよ…」
「……なっさけねェの」
『ふふ』
「……んと、ウェストウッド42の102…おっ?」
「ここか」
車を降りて、その家を眺める。
「わあ、おっきい家だなぁ〜」
「お?……おい、門が開くぜ?」
「んあ?不用心だな」
「………」
キョロキョロと辺りを見やるアッシュ。
『どうかした?』
「どうも………気に入らねェ」
その時、
「きゃああああ!」
「「「「「『!?』」」」」」
近くで女性の叫び声が聞こえた。
「…裏の方だ!!」
そう言って走り出すアッシュの後ろを私たちも追う。