ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第7章 何度も抉られる
《アッシュside》
俺は取り調べ室に連れてこられた。
そこにはチャーリー、ジェンキンズ、エヴァンスタインがいて、他には記録を命じられているのか数人のヤツらが待機していた。
「弁護士を呼べ…と騒ぎ立てない分殊勝といえば殊勝だな……黙秘かね?まあよかろう。…あとで医者へ連れてってやるからな…それまで勝手に喋らせてもらうぜ。」
エヴァンスタインはそう言うとじっと俺の目を見る
「おまえのことはよく覚えてるぜアッシュ…あの頃とたいして変わらんな…背が伸びたくれぇかな?…ユウコはどうしてる?女は化けるからな…東洋の黒髪は伸びて、さらに美しい女性になっただろうな。今となっちゃ山猫の番だなんて呼ばれて、不名誉なことだな」
「……」
なんだこいつは?俺はこいつに会ったことがあったか?ユウコのことまで…?
「まさか…まだ客引きしてるわけじゃあるまいなぁ?ん?」
……客引き、だと?
「持ってきました。」
「ああ、ごくろうさん」
部屋に男がなにか封筒を持ってくる。
「?」
「…あのブタヤロウの部屋からおもしれえもんがでてきたぜ、見てみなよ。」
そう言って俺の目の前にバサリと乱雑に置かれた封筒から姿を現したのは…
…サイアクだ。
「どうした?見ないのかね?」
「?」
チャーリーとジェンキンズは不思議そうな顔で俺を見ている。
俺はその忌々しいものから体ごと逸らす。
「ムービー・フィルムも何本かあるぜ…おいブラインドをおろしてくれ」
「やめろ!!!!」
「何?どうかしたかね…ふん、構わん映せ。見ろよジェンキンズ。あの白ブタはお似合いの悪どい趣味を持ってたようだぜ」
ジェンキンズに手渡すと、中身を確認したのかハッと息を呑むのが聞こえた。