ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第7章 何度も抉られる
《アッシュside》
いつかこいつは俺以外の奴と共に人生を歩むのかもしれない。でも…、ディノの犬と成り下がった裏切り者の元にこいつは…。
こいつはお前にはやれない、そう口にしようとしているのにどこかでストップがかかる。俺がそんなことを言う資格はあるのか?俺は何様なんだ?
執着がましい、確かにそうだ。自分が幸せにしてやれないのに、手放すことすら出来ない。執着と言われても否定出来ない。
強く腕を払われバランスを崩す。足に力を入れようとしたのに腹の傷が痛みそのまま倒れ込む。情けねぇ。ユウコが心配そうに俺の傍にきて覗き込んでくる。
お前の幸せを願っている。
それは本当だ。
…本当なんだ。