ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第18章 動き出す
《英二side》
「…さーて、お祭りのはじまりだぜ。覚悟は出来てるか?」
「…うん!」
「エイジ、お前俺が合図したら頭引っ込めろよ」
「え?…また僕をかばうつもりかい?僕は…」
「別にかばうわけじゃないさ、俺がやられたらお前がこいつを動かすんだ」
「!…ったく、縁起でもないよ…ひとりでカッコつけるなっての!」
「ひとりで?…冗談だろ、お前だってユウコを前にカッコつけてたくせに」
「あれは!」
「あーあ…それにしたってよかったのかよ…?アッシュがあいつに銃を持たせたくない理由、俺にはなんとなくわかったぜ?あいつは守られてるだけで満足するようなそんじょそこいらの女とはわけが違うからな、あまり暴れて欲しくなかったんじゃねえの?」
「…たしかにアッシュは彼女に銃を持たせなくなかったのかもしれないけど…ユウコがそうしたいって言ったんだ、僕はユウコの意見を尊重したい」
「はァ…アッシュに同情するぜ……ほらよ」
ショーターはパーカーの懐から銃を取り出した。
「…え?それ」
「まさかこんなこと予測してなかったろうけど、あいつは俺にも銃を寄越してたのさ……エイジ、お前カッコつけるのは良いけど自分の身を守ることも考えておかないとダメだぜ?カッコつけるなら最後まで、だ」
「ご、ごめん……でも、そんなに何度もカッコつけって言わなくてもいいじゃんか…!」
「へへへへっ……
よォし、いくぞ…掴まっとけ!」
ショーターがグゥンと力強くアクセルを踏み込んだ。
あぁ、いよいよだ。
アッシュ、ユウコ……頼んだぞ。