ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第18章 動き出す
《アッシュside》
「うわあああっ」
「止まれ!」
「どこへ行くんだ!そっちは立ち入り禁止だぞ!」
勢いをつけて走り出した車にしがみつくように踏ん張っていると、車から降りるヤツの姿が目に入った。ガードマンの叫び声と唸るエンジン音が辺りに響く。
「……っ…クソ野郎……!」
ディノの前に立ちはだかる部下どもを撃ち、ゆっくりと立ち上がる。
「!?……アッシュ!!」
許せねえ…
「きさま…そこまでこのワシに歯向かう気かァ!!」
殺す、ここで…終わらせる!
ディノ……ッ
「死ねェ!!」
狙い澄まして銃を構えた、
……と、同時に肩に衝撃と激痛が走る。
「…う…ッ!!」
バンッ!
こっちもなんとかトリガーを引いたが、間違いなく狙いがズレた。
瞬時に撃たれた方向に目を向ける
あのヤロー…!!
「…オーサー…きさま、よくも!!」
オーサーの隣の男が尚も俺に銃を向けている。
…撃たれる、
そう思った時
バギュンッ
カッ
その男の銃にどこからともなく銃弾が当たり、放たれた弾が見当違いな方向にはじきとんだ。
「っ…なんだ?…誰がどこから…」
程なくして、運転席に何かあったらしくトレーラーが傾いた。
「う、わっ!!」
吹き飛ばされそうになりながらも、体勢を整え地面に飛び降りる。
身を屈め様子を伺っていると、
「英ちゃーん!!!」
イベの声が聞こえた。
目をやるとイベとおっさんがエイジやショーターに駆け寄っていた。
「…っ?!アイツら!……ッ!!」
4人に銃を向ける男が目に入る。
まずい、間に合わない!
バンッ
!?
またしても誰かがピンポイントにその男の銃をはじき飛ばした。
「……なんだ?!」
「…クソッ!あそこだ!撃て!」
「アイツは…山猫のユウコ!」
「山猫の姫…どうしてアイツが銃を持っていやがる?!」
…ユウコだと!?