ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第17章 ハードな朝
《英二side》
「だから言ったじゃないか!キミたちは幸せになれる運命だったんだよ!」
「…ハハッ、そんなこと言ってたか?」
『ふふ、どうだったかな?』
「もう!覚えてないならいいさ!現にキミたちは幸せになれたんだから……ほら、写真撮るよ!こっち向いて!」
カシャ、カシャ
「エイジ、ーーーー」
「え、なに?」
『ーーーー』
「なんだよ、聞こえないってば!」
ーーー「エイジ」
「………んっ…」
「エイジ、起きろ」
起きろ…?
「……え?結婚式…は…?」
ペチペチと顔に何かが当たって目を開けると、
「!!」
アッシュが銃を持って目の前にいた。
「うわぁあ!!…びっくりした…悪い冗談?」
「これはお前のだ」
「…え?」
「オートだから使い方は簡単だ。こいつがセーフティレバーで弾倉はここから入れる…戦いが始まったらお前を守れない。だから自分の身は自分で守れ」
「……わかっ、た」
「はぁ…そんな情けないツラすんなよ。5分で朝飯だぞ!…ショーターのチャイニーズブレックファストだ」
「あ、うん…」
「……ところで、」
「なに?」
「“結婚式”が…なんだって?」
「へ!?…あ、うん…僕結婚式の夢見てたみたいで…あはは」
「…随分幸せそうに寝てたぜ、起こすのが申し訳ないくらいに。お前日本に恋人がいたのかよ」
「いやいや、僕のじゃないよ!キミたちの!」
「……は?」
「だから、キミたちの結婚式!…そうだ、あのさ、」
「…なんだよ?」
「夢の中のアッシュは覚えてなかったみたいだから言っておくね。
…キミたちは幸せになる運命なんだよ」
「…は?なに突然」
「いいから、覚えておいて!あれはきっと正夢だから」
「…ったく…意味わかんねえな」
「へへ」
僕はベッドから出てアッシュを追い抜いた。