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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第16章 それでも前へ


《アッシュside》

元の大通りに出て、俺たちはチャイナタウンに向かった。警察は既に俺らを探して動いているだろう。
出来るだけ見つかりにくい道を頭に浮かべる。


「…そこ、右入れるか?」

「あ、うん…左ハンドルようやく慣れてきたよ」

「日本は反対なんだっけか?」

「そう、車は右ハンドルだし車線は左側だよ。もうなにもかも反対さ!」


「へえ……代わろうか?」

「だ、大丈夫…!気を付けるから、そんな不安そうな顔しないでよ!」




しばらくすると道が狭く人通りも多くなってきた。
そろそろ降りて歩いた方が良さそうだ。


「エイジ、その路地を入ってくれ」

「え?…ここ入っていい道なの?」

「入ったところで乗り捨てる。人目につくと厄介だし、ここからは歩いた方が近いんだ」

「…わかった」


「いいかエイジ、降りたら俺から絶対に離れるなよ」

「…う、うん」



俺たちは車から降りて人通りに紛れて歩き出した。


「すぐショーターのところへ行こうよ、きっと喜ぶよ!ユウコは腰抜かしちゃ……っ、」

さっきの話を思い出したからかエイジは一瞬で表情を固くさせた。

「お前に話したことを隠すつもりはないけどさ…あいつにはいつも通り接してやってくれ、…頼む」

「…うん、そうだよね」




「………ッ!!」


なんだ?!

突然刺すような殺気を感じた。
誰かが俺を狙っている。


気配は……



ーー後ろだ。





「…振り向かずに真っ直ぐ歩け」

「え?」

「いいから、言う通りにしろ」

「…?」

「次の路地を入るぞ」



誰だ?
この程度の気配ってことはどこかの下っ端だ


ディノ…
オーサー…、

どちらにしても吐くまでは帰せない。

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