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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第15章 Please forgive me.



すぐに痛みが消え去ったのは、

“アッシュ”が丁寧に前戯を施してくれたのと、挿入後動かずに耐えていてくれたからだと知ったのはこの4年後、私が15歳の時だ。


ディノの命令で14歳までの3年間、私たちは数えきれないほどセックスをしてきた。それこそお互いの体を熟知する程に。


私は大好きなアッシュとのセックスが気持ち良くて嬉しくて…幸せで仕方なかった。


だけど、
アッシュにとってはそうじゃなかった。

彼にとって私とのセックスは、
ただの命令の消化でしかなかったのだ。

その証拠にアッシュは、次第に苦しそうな顔で笑うようになった。


あんなに毎日抱き合ってキスをしたのに、ディノの元を離れる時にはついに抱き締めてすらもらえなくなった。



…私がアッシュの心を傷つけてしまったから。その優しさに甘えて依存して、修復不可能なくらいに苦しめてしまったから。


アッシュの為を思うなら今すぐ離れるべきだって頭では分かってる。

でも…どうしてもアッシュの傍を離れられない。
もう一生結ばれることなんてないのに、それでも大好きなアッシュの傍にいたかった。全部…全部私の勝手なわがまま。

そんな私を突き放さない優しさにまた甘えて、私はいつまで同じことを繰り返すのだろう。






間もなくで15歳という頃、ディノは突然私とアッシュを外に出した。この時の私の記憶には何故か少し曖昧なところがあるけれど、確か住む部屋は用意されて、でも頻繁に迎えがきて…半自由な生活だった。

そのあと“リュビームイ”に会って、色々なことを学んだ。



完全に今のような2人の生活になったのはアッシュが少年院を出てきてから。いつしか危険な世界に身を置くようになってしまった私たち。

アッシュの中で戦力外な私だけど、必死に身に付けた様々なスキルがいつかその命の役に立つことを信じてる。…いつでもこの命はアッシュの為に。

傍にいられるなら、何も惜しくない。




だから、お願い…

傍にいさせて。
想うことを許して。



いつだってアッシュの為に死ねるから、


今はどうか、

ーーアッシュの為に、生きさせて



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