第14章 消えない傷

｢…っはぁ…はあ…ぁ、すごい…熱い…心臓が痛いくらいバクバクいってる…くるしい…っ｣

『…っ…ク…リス…もうっ…やめよう？』

｢は…ぁ…だまってて…｣

クリスの手のひらが私の胸に触れた。

『っ…ぁ……や、め…』


｢…っ…やわらかい…｣

『…ん……っ』



｢おれも…っ、こんな体が…ほしかった｣


『…ク、リ…』



｢っ…おれも、女の子…だったら…な｣



ぽたぽたと落ちる雫にクリスを見ると、彼は真っ赤な顔で涙を流していた。

『…っ！』


｢俺…メスのことがずっと許せなくて…ずっと憎くて大嫌いで……ずっと…うらやまし、かった｣


クリスが私の髪を指で梳く

｢ユウコは…アッシュに撫でてもらえて…いいな、って思ってた｣


呼吸を乱しながら、途切れ途切れに言うクリスの言葉は胸に刺さるようだった。

｢…はぁ、薬のせいかな…おれ、変なこと言ってる…｣

『…そ…そんな、こと…っ』


｢っ…おれ、お前のこと…大嫌いだよ｣

『……』

｢さっきだって…本気で首絞めたし、髪だって切ったし…今からだってもっとお前が傷付くようなことする。お前をセックスで傷付けること…俺はなんとも思わない…｣


クリス…


｢でも、…そうやって、俺の話を聞きながら…っ悲しそうに一緒に泣いてくれるところは…どうしてもきらいに、なれない｣

『…う…ッ、ぅ…はあ』

｢…はぁっ…｣

さっきのクリスのキスで、舌の薬が私にも効いて発作が酷くなってきた。
クリスは苦しそうに顔を歪めて、私のズボンを一気に脱がした

『…っ！』

｢俺…はぁ…挿れられたことしか…っないのに…コレをユウコに挿れたくて…仕方ない…っ｣

っ…私…このままクリスに…

クリスは私の下着も引っ張った。


『…ぁ…っ！…』


｢…っえ……？｣


私の股を見たクリスは驚いた顔をした。


｢……血が、でてる｣

『…っ…血？』

パンツを見てみると確かに血がついている。

クリスが私の股に触れる

『…っん…ぁ』

｢…ほら｣

指には血がついていた。

…全然気づかなかったし、全く痛くもない。

『……な、んで…？』

｢わから、ない……はぁ……くる、し…っ…は…ぁ…｣

クリスが突然私の上に覆いかぶさってきた。
そして唇が重なる。