ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第5章 人は空を飛べるか
「あいつら、キミのこと山猫のお姫様って呼んでたね」
「アッシュは山猫の王子様って言われてるよ」
「王子様にお姫様か、おとぎ話みたい!」
『…あぁ〜、いつからそんな呼ばれ方までしてたのかな…皮肉な呼び方だよね。おとぎ話なんてそんな可愛いものじゃないよ』
「そうかな?僕はユウコとアッシュが姫と王子って、なんの違和感もないけど。どの世界でも綺麗なお姫様と格好良い王子様はいつも一緒になる運命なんだから!」
『…日本人って、こんなに恥ずかしいことを堂々といえるものだったっけ…』
私はエイジの言う言葉に、思わず照れてしまった。
「今のユウコはゆでダコだけどね!」
『もう〜!スキッパー、ほんとやだ〜!』
「日本人と言えば……キミ、日本語喋れるんじゃないか。」
『…あ〜、いやぁ…ホンノスコシ?』
「ぷっ!下手なごまかし方…!」
エイジは吹き出す
「さっきはびっくりしたよ。店で腕を引かれた時も、…車の中でも。あ、ということは!僕たちの会話はずっと聞き取れないフリをしてたってこと!?…失礼な事を言ってなかったかな、ごめん。」
『ううん、失礼なんて!全く何も無かったよ!…その、こちらこそ騙してたみたいで、なんだかごめんなさい。』
「え!?ユウコ、日本語サッパリ〜!とか言ってたのに本当は聞き取れてたの!?スゲー!」
「バイリンガルかあ、ほんとすごいや!」
『エイジも英語上手よ?』
「いや、全然だよ、たまに聞き取れないし…あ!ねぇ、スキップには悪いけど…ちょっと話してみても良い?」
「全然いいぜ、オレも興味あるし!」
「じゃあ…
(ユウコはアッシュのどんなところに惚れたの?)」