ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第4章 遠い生まれ故郷より訪問者
《アッシュside》
その直後
ドン!!
やばい、ヤツらか!
連中がゴロゴロとなだれ込んできて、俺に向かって襲いかかってくる。ったく、せまいところへゴチャゴチャと…
「入ってきやがって!!」
1人を蹴りあげた時、2発銃声がした。
エイジがカウンターから顔を出した時、
「いたぞ!あそこだ」と聞こえる。
なに?目的は俺だけじゃないってことなのか!?
ユウコが蹴りを入れるのが見えた、そのままエイジの腕を掴み、扉へ走り去ろうとする。
「くそぉ逃がすな!!おまえたちはこの後を追え!」
!
「よめたぜ!お前らの狙いが!!
ユウコ!!スキップ!!戻れ!罠だ!!」
振り返るともうそこにはいない。
「ユウコーっ!!戻れ!!!」
俺は急いで店の出入口へ向かう。
階段を登って見えたのは、
「ユウコーっ!!!!」
あいつらが車に乗せられている所だった。
『アッシュ…!!アッ…』
あいつが必死に俺を呼ぶ声が聞こえて、俺の全てを騒ぎ立てる。
車がどんどん遠くへ離れていく。
俺は腰の銃へ手を伸ばす。
ふぅ…っと息を吐いて心を落ち着け、ゆっくりと構える。
さっきの会話が脳内で再生される。
エイジ、俺はまた今から1人、
…人を殺すよ。
それは殺戮じゃない
動く車の中を見据え
ゆっくりと引き金を引く
ド、キュウウウウン
愛する人を、守るためだ
去っていく車を見つめ、残りの銃弾を確認する。
そこにショーターが現れた。
バイクを借り、車を追いかける。
ったく、どこに向かってやがるんだ…
…クソ…無事でいてくれ。
車に押し込まれる寸前に聞こえた、あの声が頭の中にリフレインする。