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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第4章 遠い生まれ故郷より訪問者



「へぇ…そりゃ失礼…子供かと思ったもんで」

エイジは私たちより年上だったんだ。日本人が年齢より若く見られるということは身をもって知っている。


カシャッ

カシャッ


シャッターがリズミカルに切られる。
一段落したタイミングで、エイジはアッシュの腰に刺さる銃を指さす


「その銃…ホンモノだよね?」


え?

その場にいる全員がそう思っただろう。私も例に違わない。異様な空気に私はアッシュの元に近寄る。

「え?どういう意味だ…?」


アッシュが尋ねると、エイジは少しハッとした顔でこう続けた。

「モデルガン以外日本じゃ持てないんだ。ちょっと持たせてくれないかな?」

その場にいた全員が息を呑んでアッシュを見つめる。その空気を察したのかイベさんは「(ちょ、ちょっとやばそーだよ英ちゃん!)」という。



「……いいよ」


アッシュがフッと顔を緩めて腰の銃に手をやると、ザワザワと周りが騒ぐ中エイジにグリップ部分を向けて手渡した。


「わあっ♪サンキュー!…すごい、ずっしり重いや、へ〜っ!」

重さを確かめたり、色々な角度から眺めるエイジは新しいおもちゃを買ってもらった子供のように見えた。

「ありがとう、大事なものを」

そういってアッシュに銃を返すと、私たちの顔を交互に見て

「あの、ひとつ聞いていいかな…?」

『うん、なに?』

「人を…殺したことある?」



アッシュはチラと私の目を見たかと思うと、エイジを見据えて「…あるよ」と答えた。


「へええ…やっぱり…そうかあ」

エイジはそこまで動揺することもなく、そう呟くと足元を見た。

「…ガキだな、あんた」

「えっ?(えっと)…パードン?」

エイジには聞き取れなかったのか聞き返してくる。私は笑いながら『面白い人ね、』とフォローした。


「Hey、エーチャン!来なよ、イッパイおごるぜ。ユウコも良かったら」

『あ、うん』

アッシュを見ると、行ってこいと顎で指したので同意の返事をしてそちらに向かう。

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