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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第13章 地獄の中へ


《アスランside》

するとまたユウコの体に力が入った。それを感じて僕は唇を少し離す。


「ユウコ、苦しい?」

『ドキドキして、苦しい…アスランは平気なの?』

「…触って?」

ユウコの手を掴んで自分の心臓のあたりに当てた。

『あっ……』

「僕もドキドキして苦しいよ、いつも」

『そうだったの…?』

「うん、当たり前じゃないか…ユウコとキスしてるんだもん。…ね、ユウコ?目をつむって息をすることだけ考えてみて?」

ユウコは言うとおりに目を閉じてゆっくり呼吸を繰り返した。それを確認して、僕はもう一度唇を重ねる。ビクッとしたユウコは一瞬呼吸を止めたが、またすぅっと息を吸った。

『…っふぅ……んっ…』

「…ん、…っ」

慣れてきたようで、いつものような辛そうな表情はしていなかった。僕は唇を開いてユウコの唇を挟む。すると、ユウコは舌を少し出して唇を舐めてきた。その舌に触れながらユウコの口の中にゆっくりいれた。

『…んぅ…っふ…』
「…っ…ん…」

舌を絡めると背中に回ったユウコの手に力が入る。
また苦しくなってきちゃったかな、と僕が唇を離そうとするとシャツをギュッと掴んで体をさらに寄せてきた。

「…っユウコ…んっ」
『ア…スラ…っ…だいじょ、ぶ…』


そんなユウコに僕はたまらなくなって、両手で彼女の後頭部を支えた。指をさらっと抜ける綺麗な髪と、耳に響くキスの水音に頭がクラクラする。
ユウコの両手も僕の耳の後ろあたりに移動して、くしゃと髪を掴む。


お互いに荒い呼吸を繰り返しながらも、ただ夢中になって舌を絡め合っていた。





ビデオもカメラも向けられてない
僕たちしかいない部屋で、
こんなキスをしているのはなんでだっけ?

でもこれは誰にも命令されていない、
誰の目にも届かない

僕たちだけのキス

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