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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第13章 地獄の中へ


《アスランside》

ユウコは顔を真っ赤にしながら涙を流して、僕とキスしたいと言った。


…え?

命令されていなくても、
キスしたいの?

僕と…?


その言葉や表情に反応して心臓は早く鳴るのに、頭が理解できない。

だって、ユウコはキスをすると辛そうにするじゃないか。さっきだって僕とキスをすると苦しいって。
だから僕はきみにキスしたいと思うことはダメなことだって…ユウコを苦しめることだって…そう思っていたのに。

…あれ、さっきユウコなんて言ってたっけ。
なんで苦しいんだっけ…?

僕とキスをすると苦しいって言われて、やっぱりそうだったのかと悲しくてそのあとのことをよく聞いていなかった。


「ユウコ、僕とキスしたいの?」

『…っ……う、ん』

「僕とのキス、嫌じゃないの?」

『いやじゃないよっ…』


「…僕、ユウコとキスしたいって思っても、いいの?」

『…え?』


「どっち?」


『…い、…いいよ』


僕はユウコの言葉を聞き終わる前に頬の涙に唇を寄せた。なんだかあの日のキスみたい。
ユウコの頬を両手で挟んで目を合わせる。涙でキラキラ光る目に僕がゆらゆらと反射して見えた。



「…きみとキスしたい」



目を合わせながらそう伝えて、
ゆっくりユウコの唇に僕のを重ねた。

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