• テキストサイズ

ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第13章 地獄の中へ


《アスランside》

服をはだけさせて、たくさんの写真を撮られた。
こんな格好で笑えだなんて…無理に決まってるじゃないか。
最後はビデオを回されて、昨日と同じことをさせられた。

この部屋でシャワーを浴びるように言われ、その後部屋を出ると僕とユウコの部屋じゃない場所へ連れていかれた。



「お前らがいかに幸せか見せてやる。」


バタン、とドアを開けると、そこにはベッドもない狭い部屋に同い年くらいの子が6人もいた。

その全員が裸だった。
部屋の中には鼻を押さえたくなるような妙な臭いが広がっている。



その子たちはマービンの顔を見ると、泣き叫びはじめた。


「うるせえぞ!ゴミ共!!」

そのうちのひとりの体を蹴飛ばす。



そしてバタンと部屋から出た。
ひどいものを見てしまった…。


「…………」

「アッシュ、お前のグラビアやムービーはこいつらの20倍以上の価値がつく。」

「………っ」

「ユウコとのムービーはさらに価値が高い…希少なほど価値が上がるんだ。ブロンドにグリーンアイズ、東洋の黒髪に黒い瞳…おまけに二人とも最上ランクの顔立ちなんて、こんなの前例がねえからな。まあそもそも、女をここに連れてきたのは初めてだが。」

「……希少…最上ランク…」

「ああ。お前らが拒まない限りは食事や風呂、衣類は支給してやる。だからいい子にしているんだぞ。」


マービンは僕を見下ろす。
その表情は読めない。


そしてスっと背中を押され、僕らの部屋の前にやってくる。



「愛してるよ、アッシュ」

そう言ってキスをされ、部屋の中に戻された。

外からガチャガチャと鍵をかける音が聞こえる。


ドアから視線を外しベッドを見る。


ユウコは寝てるのか…

ベッドに近付くと




眠るユウコの唇は血で染まっていて、何ヶ所も腕に傷が出来ていた。


「ひっ…ッ」


一瞬息が止まった。
/ 729ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp