ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第13章 地獄の中へ
《アスランside》
フロッギーの指がユウコのシャツの1番上のボタンに触れる。
「…っな!やめて…お願い!」
僕は止めさせようと体を動かすが、強く押さえつけられていて動けない。
「最高だな…!!」
4人のゲラゲラと笑う声とシャッター音が響く。
ユウコを見ると、目から涙を流しながら下を向いていた。
僕はグイッと顔をユウコからそらす。
「これで、全部外れたぜ…」
『…っふ、…やだやだ…やだあ…!!』
「さあ、見てもらおう。ほらよッ!!」
バッとユウコのシャツを左右にはだけさせる音が聞こえる。
僕はギュッと目をつむり、顔をそらしていた。
ユウコのすすり泣く声が聞こえてきて、気が動転しそうになる。
「…っと、おいマービン、見てみろよ!こいつもうオンナになりかけてやがる!…おぉ、まだまだ小せえがやわらけえ」
『…っう…やめっ…』
「ハハ!…ガキのくせにな!マニアにはこういうのが一番需要あんだぜ。…おいアッシュ、見てやれよ。お前の“お姫様”なんだろ?!」
マービンに顔を掴まれ乱暴に正面を向かされると反動で目を開けてしまった。
そして、シャツを剥がれ胸をいじられて
ボロボロと涙を流すユウコと目が合った。
『……ア…スラ…ンっ』
今にも消えそうな切ない声で名前を呼ばれる。
信じられない光景に僕が声を出せずにいると、マービンにシャツをバリッと破かれた。
ボタンが弾け、ベッドの下に転がる。
その時、フロッギーの腕の力が緩んだのか僕の胸にユウコが飛び込んできた。
抱きとめ、両手を頭と背中に回す。
僕もユウコも全身が震えていた。
「ユウコ…!」
『…怖いよぉ…』
カチャカチャと言う音が二重に聞こえ目をやると、2人がベルトを外しているところだった。
やっぱり、今日も…
あの痛みと苦しみを思い出し体を強ばらせると、脱ぎ終えたマービンが僕の髪を掴み引っ張る。
「……ッ!」
ベッドの上に膝立ちになるマービンの前に倒れ込む。
顔を見上げると、舌なめずりをしていた。