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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第13章 地獄の中へ


男が去ったドアをベッドの上から見つめた。

鍵を掛けられてしまったし、もうこの部屋から自力で出ることは出来ないのだろう。


「ぅッ……ぐっ…」


隣で苦しそうな声が聞こえた。

『ア、アスラン…!』

「…っ触ら!…ないで」

『……あ、ごめ、』


「先、シャワー行ってきてもいい?」

『…うん。』



アスランはゆっくりと体を起こしベッドから降りて1歩ずつ歩き始めた。

しかし数歩進んだところで、

「……う゛ぁっ」

と、小さく声を上げて壁に手をついた。


『!?…アスラン!』


背中を向けている彼のおしりから白い液体がドロっと垂れたのが見えた。


「…っ!…っひ…ぐ…ぅ」


アスランがその場にズルズルとしゃがみ込む


「ぅ、っ…最…ッ悪だ…」

アスランはしゃくりを上げて泣きはじめた。


私はベッドから勢いよく降りて、裸で涙を流すアスランを後ろからギュッと抱き締めた。


「っ!…ゃ、だ…だめ、触らないでってば…!」


腕の中で小さく暴れるが離さない。


『助けてあげられなくて…ッ、ごめ…ん、アスランはいつも私のこと、助けてくれるのに…っ、また、こんなに辛い思いさせて、本当にごめんっ……私があの男の人について行ったから…、車乗っちゃったから…っく…信用しすぎるな、って…悪いこと考えてる大人もいるって、言われてたのに…っ私のせいで、アスラ…ごめっ…ぅ』


「…ユウコ…っ」

アスランは私の腕の中で体を回転させ抱き返してきた。


「…泣かッ…、ないで…泣かない、で…っ」

『ぅう…ッ、アスラン…』



私たちはそのまましばらく泣きながら抱き合った。

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