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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第13章 地獄の中へ


するとアスランは、庇うように私の顔の横に両肘をついた。

初めてこんな角度と近さで見上げる彼は、痛みに顔を歪ませていて胸がギュッと締め付けられる。

伏せられていた目が私と合った瞬間、突然彼の瞳がグラッと涙で揺れた。
そして、その涙はぼたぼたと溢れ私の顔に零れ落ちる。


『っアスラン…、』





「…ユウコ…っごめ、ん…」


『……え?』



「…ごめッ…ね…ユウコッ…」




アスランは“ごめん”と言うと、
涙を流しながら私に唇を重ねた。


唇をちゅ、と合わせたあと、彼は軽く唇を開いて私の唇を挟んだ。

『…ん…っ?!』



アスラン…?
唇にギュッと力が入る。


「…はっ…ん…」


かたく閉じる私の唇に舌が触れる。
どうすれば良いのか戸惑っていると、アスランは少し唇を離した。


『…っは…アスラン…なに、』

「…くち、あけて?」

『…ぇ、アスラ……っんぅ』

「ん、は…」


再び唇が触れたかと思うと、アスランの舌が私の口の中に入ってきて舌先に触れる。

「ふ、んぅ…」

『ぅ…はっ…ぁっ』


アスランの舌が絡まってきて、息が上手く出来ず苦しい。


…キスをする前、何故謝ったんだろう。
アスランは痛いことされていて、苦しんでるのに…
助けてあげられなくて、ごめんと言いたいのは私の方なのに…。


髪をくしゃっと掴まれ、視線が合うと彼の濡れた瞳は熱を孕んでいた。
こんなアスランの目、初めて見た…





「ん゛っ、お前ケツ締まったな…、男に犯されながら女にキスして興奮したのか…ッ」


男が腰を振るスピードを上げた。ギシッギシッという音や肌がぶつかる音、私たちのキスの水音が響く。


「イクぜ…ッ……はァ、うっ!」

「…んは…っ……い゛っ!!」



強い衝撃が続き唇が離れて、アスランは私の上に覆いかぶさった。


部屋の中には3人の荒い息だけが聞こえていた。

男がアスランから離れると彼は「う゛っ」と呻き声をあげて私の上からベッドにズルッと倒れ込んだ。
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