ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第13章 地獄の中へ
その次の瞬間、
私の足を割って何かが入り込み首元に熱い息がかかった。
ギシッギシッ
再びベッドが軋み始めるが、今度は私の体も音とともに深く沈む。
『……!』
「っはぁ…はっ…、ユウコ…ッ…」
『…ア、スラン?』
アスランの声は間近に聞こえ、同時に彼の香りと体温を感じた。
『え…?』
「…ああ、そうか見えてないんだもんな。今、お前の目の前には裸でセックスしてる王子様がいるんだよ……クク、お姫様の間違いか?」
『セックス…?』
「ハハハ!その顔からセックスなんて聞けるとは最高だぜ。そうだよ、知らないのかい?…まぁまだこいつが突っ込めねえしな……性に目醒めた時のために見せてやるよ。」
「…ぁ、だめ…みな、いで…ッ…お願い、ユウコ…」
苦しそうな声で見ないで、と言われ私はギュッとアイマスクの下で目を閉じた。
バッとアイマスクを取られ、瞼越しに光を感じる。
「…ぅっ……ッ」
グンッと体に強い衝撃と共に重さを感じ、思わず目を開ける。
『……………ぁっ…』
そこには、ガクガクと震えながら私の体の上に体重をかけ、グッと唇を噛み締める裸のアスランがいた。
ギシッ
「……ぅっ………」
彼越しに見える男も裸で、髪を掴んでアスランの上半身を起こさせると、大汗をかきながら強く腰を打ち付けていた。
目の前に広がる信じ難いこの光景は、紛れもない真実なのだとアスランの表情が語っている。
アスラン、痛いの?苦しいの?
今すぐ抱き締めてあげたいのに腕は動かない。
ふと柵を見上げると、拘束する布に血が滲んでいた。
「あと数年もすりゃユウコもこいつに同じことをされるだろうぜ…これがオスの本能だからなッ……おい、アッシュ、さっき教えてやったキスをこいつにしてやれよ。」
「……えっ」
「お前を守ろうとして暴れたから手首から血が出ちまってる。ご褒美やらねえと可哀想だろ?」
アスランは焦ったような悲しいような目を私に向けた。
「……で、できな、」
「“No”はなしだぜ?……まぁお前ができないと言うんならご褒美は俺がやるしかねえな?」
「っ!」