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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第13章 地獄の中へ


視界が遮られているので、なんだかいつもより音や声がクリアに聞こえる。

ここに連れてこられてから死の恐怖に怯えていたが、どうやら殺されるわけではなさそうだった。



突然アスランが震えた声で「いやだ」と言った。


「言ったはずだぞ?お前に“No”は許されないと。…ユウコのためならなんだって出来るんだろ?」

少しの間の後アスランは“Yes”と言い換えた。


一体今この場では何が起こっているんだろう…
私のためなら…って、なに?

男が動きガチャガチャと音がしたかと思うと、






「…っん…はぁっ」

「ハァッ…もっと舌出せよ…下手くそ、こういうのは初めてなのかよ?」

「んぅッ…!…はぁ…ふっ……」


突然部屋にクチュクチュという水音とアスランの荒い息遣いが響く。


「…ちゃんと絡めろ…んっ…そうだ、上手いじゃねえか。」

「…んはァ…っはぁ…」


え…、
この音は…?



ギシッ

私の真横が深く沈む。
アスランの声と男の声がすぐ近くに聞こえる。


「……ゃっ!」
「…やじゃねえだろ?」

「……ぐ、ぁああ……」

『!?』

「どうしているのがお利口さんか、その賢い頭で考えろ」

「…げほっ、がはっ…はっ…はぁはぁ…」


アスランのうめき声と荒い息が聞こえる。
もしかして首を絞めていたんじゃ…


どうしよう…、
このままじゃアスランが殺されちゃうかもしれない…

…腕が、動かない。

私がピンチの時、アスランは必ず助けてくれたのにどうして私は何もしてあげられないの…




バサバサっと布が擦れる音がして、カチャカチャと金属音がした。


アスランの腕が私の体に当たる。

その腕はガタガタと震えていた。



「じゃあそろそろ、お姫様の横で…
お前に“お姫様”なってもらおうか」



「…………っ!」



言葉を飲み込むような息遣いと、ひっという小さな悲鳴が聞こえた。

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