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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第13章 地獄の中へ


《アスランside》

「今日は靴磨きはお休みかな?」

「…っ!あの、ユウコを見ませんでしたか?僕と一緒に靴磨きをしてた女の子なんですけど…」

目の前に現れた太った男の人は、ここ最近の常連客だった。

「ん?あの黒髪の女の子かな?…あっちで見たよ。ついておいで。」


良かった、僕の考えすぎだった。
男について行くと、たどりついたのは人気ない通りに停めたられた1台の車だった。

「……あの?」
「今日は暑いだろ?良かったら少しこの中で涼んでいくといいよ。」


この男、なんだかおかしい。
ユウコの姿はないし、突然車に乗れだなんて。

「ユウコは、どこですか?」
「…ふふふ、やはりお前は賢いようだな。」

「…!?」

「あの東洋の女の子は警戒することもなく俺の車にすんなり乗って、今はとある部屋にいる。…簡単に拐われちまうお姫様には躾が必要だからな。」

「…なに、それ…とある部屋って?」
「あいつが今どんな状況か見せてやろうか?」

男はポケットからスマホを取り出し画面を見せてきた。
そこには服を乱され、腕や口、視界の自由を奪われたユウコの姿が映っていた。


「っ!!…ユウコ?!」
「そうだよ。これは間違いなくユウコだ。…お前のガールフレンドは、一体これからどんな目に遭うんだろうな?…性欲にまみれた男に全てを暴かれて、一生性奴隷として生きていくことになるかもしれねえな?」

「…ユウコにこれ以上何かしたら許さない。」

「そりゃお前次第だな。」


男は僕の顎をグイッと掴んで顔を近付け、舌なめずりした。

「僕次第?」

「お姫様の代わりにお前がお姫様になるってんなら、考えてやってもいい。」

「…ユウコのためならなんだって出来るよ。」


僕がお姫様ってなんだ…?
でもユウコを守れるなら。


「話が早いな、やっぱりお前は賢い。…アスラン、ついてこい。」

男は後部座席のドアを開け、僕が乗り込むのを嬉しそうに眺めていた。
ロックをかけるとエンジンがかかり発車する。

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