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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第13章 地獄の中へ


しばらくすると車が停まった。

窓の外を見ると、そこは全く見たことのない建物だった。
運転席を降りて後部座席のドアが開いたかと思うと、乱暴に腕を掴まれ降ろされる。

「ほら、降りろ!」
『…っ…!』

「なんだ?怖くて声も出なくなっちまったのか?…可愛いなァ…」

そのまま、男は私を引きずり建物の中に入るとある一室に放り投げた。


『ひゃっ…!』
「そんなに怯えるなよ…まだ何もしてねえだろ?」

私は怖くて後ずさる。
ドンと背中に壁が当たり、後ろを見上げると窓があった。

誰かに助けを呼ぼう!
震える足で立ち上がり窓を叩く。

『誰か!誰か助け…んぐっ』

「おい!…お嬢ちゃん、お転婆が過ぎるぜ?そんな子は自由にしておけないよなァ」

男に口を抑えられグイグイとベッドに連れていかれる。

「いいか、声を上げるな。絶対にだ。」

小さく頷くと涙が滲む。

「そうだ、いい子だ。」

両腕をグッと上で掴まれると、布のようなもので縛られた。そしてそれをベッドの柵に括りつけ拘束される。

男は満足そうに私を見下ろし、ポケットからスマホを取り出した。

「お前が大きな声を出さなければ今は何もしない。」

そしてスマホを操作し、画面を見せられる。

『…あ…、』

「これはお前だな?」

そこに映っていたのは、商店街のベンチに並んで座る私とアスランだった。

三角のマークをタップすると、動き出す。

横に並ぶ私たちの距離は徐々に近付き、アスランが私の髪に触れる。そしてこめかみに、瞼に…唇にキスをした。

『………っ!…』

これを見られて、
動画にも撮られていたなんて…。
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