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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第12章 遥かなる旅路


朝日の眩しさで目が覚める。

『ん…、あれ?』

一瞬何故自分が外で寝ているのか思考が追いついてこなかった。
ふと、隣でモゾッと動くふわふわの金髪が目に入る。


…そうだ、私たちはふたりでケープコッドを出たんだ。
それから初めてふたりで朝を迎えた。


『…アスラン、起きて?アスラン…』

「う…ん…、…ん?ユウコ…?」

アスランも寝ぼけている。
スっと起き上がるとキョロキョロとした。

「あれ、…なんで僕たち外に?」

『私たちケープコッドを出て…それで、』

「そんなのわかってるよ!おかしなユウコ!そっか、昨日は月見ながら寝ちゃったのかあ」


アスランは笑いながらそう言った。
私と違って寝起きでも意識はしっかりしていたようだ。

私たちはバシャッと湖で顔を洗った。

「うーん、気持ちいいね!さ、小屋に戻って朝ごはん食べよう?」

『うん!』

昨日と同じように缶詰を食べた。

「美味しいけど、僕の家にあった缶詰同じような味のばっかりで飽きちゃうね。ごめん。」

『ううん!謝らないで!…私なんて何も持ってこなかったし…ごめん。』

「あはは、いいよ全然!そしたらさ、今日は買い物に行こう?いろんな味の買おう!」


缶詰を食べ終えてから荷物を少なくまとめて小屋を出た。
公園を出て、昨日見つけた商店に入る。

『わあ!いっぱいあるね!』

「うん、これ美味しそう!」

アスランの持つカゴにゴロゴロと缶詰を入れてレジに向かう。

「こんにちは、お母さんのお手伝いかしら?」

担当した店員は、私たちをおつかいにきた子供だと思ったのかそう話しかけてきた。

「うん、そうだよ!」

アスランはニコニコと答える。
店員はその笑顔を見て、

「そう!偉いわね!…じゃあこれ頑張ってる2人にプレゼントよ!」

店員が私たちに手渡したのは、棒のついたキャンディだった。

買った缶詰を2袋にわけて公園までの道のり、キャンディを舐めながら歩いた。

甘いキャンディはとても美味しかった。
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