ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第2章 ナイトメアのはじまり
その“何か”を見た瞬間、咄嗟に私はそれを自分の後ろにある枕の下に隠した。
アスラン、何故こんなものをスボンに隠して…
目の前を見るとアスランは男にいとも簡単にベッドに縫い付けるように両手を押さえられていた。
『アスラン!』
「…うっ…」
「私の前では《美しい 物言わぬ人形》でいろとあの時この体に教えこんだはずだったが…そうさせるにはまだ余程の屈辱が必要らしい。…そうだ、お前の大好きなガールフレンドの前でオンナノコにされる姿を晒すのはどうだ?!…くはははっ!それがいい!もし俺がそうされたらと考えると、もう死んだ方がマシってレベルだぜ!」
男は鼻息荒くアスランの首元にぬるりと舌を這わせる。
「……ぃ、いやだ、」
「いつもはこんなことしたって、いやだなんて言わねぇじゃねぇか。アッシュ?…まあ悪くない…」
「……見ないで」
目に涙が溜まったアスランから目を逸らす。
男はアスランの目が反抗を強く映しているのを気に食わないと言うように荒々しく唇に舌をねじ込む。
アスランが泣いている。今こんなに酷い屈辱を味合わされているのは全て私のせいだ。私があの時窓の外で見つかったりしなければこんなことにはならなかった。早く立ち去り大人を呼んで来ていればこんなことには。
「…ぐっ!?てめぇ!!やってくれたな!!舌を噛みやがって痛てぇじゃねぇか!!」
「ぅぁっ!…っぐ…っ」
目の前で何度も殴られベッドの上でぐったりしているアスラン。男の口には少量の血が見える。
「くっそ、そうやって大人しくしていろ。さてユウコ、まずはどうしようか…そうだな、まだ誰にも穢されていない真新しい唇の味を見よう。」
気持ち悪い笑みを浮かべながら、近寄ってくる。ベッドの上を後ずさり、すぐ後ろの壁へ追いやられてしまう。
髪を撫でられ、また1束取ってキスを落とす。その手が頬をすべり顔が近付く。
間近で息がかかり、顔を背けようとするが押さえられ動かせない。
『…や、だっ!…アス……っっ!』