• テキストサイズ

沖矢昴はお兄ちゃん【名探偵コナンR18】

第8章 盗まれたのは






抱き抱えられたまま無言で廊下を歩く早乙女。
部屋の前に着くとスッとドアを開け中に入る。
ドアの鍵の閉まるカチャッとする音が聞こえた気がするが、ツッコむ勇気は今の所ない。
そのままキングサイズをゆうに超えている天蓋付きベッドにドサっと放り込まれた。
流石特注品、弾む弾む…ってそうゆう話ではなくて!




『ちょっと!投げる事ないじゃない!』



「今、俺イラついてんの、分かる?」



『ぇ、ぁ、はぃ…』



そうギロリと上から見下されて思わず萎縮してしまった。
これが蛇に睨まれたカエルかと思った、うん、怖い。




「はぁーーー…」



そう長い溜息を付き、私が投げられたベッドの隣にドサっと横になる早乙女。
そしてこっちをジト目で見てきた。



『な、なんでしょうか…早乙女さん』




「2人きりの時は名前呼びだろ?」



『ぁー、はいー…隼人』



そうお互いに2人きりの時は名前呼びをしていた。
昔からお互いに良く知っている間柄な訳だし、必然的にそうなったのだけれども。




「お前さ、本当昔から良くモテるよな。
あと、危機感なさすぎって言われね?無防備過ぎ」




『ぅぐっ…最近散々同じ言葉言われてます…。
でもモテるのは隼人だって同じでしょ!!』




「俺の場合は軽くあしらってるからいいんだよ。
ニコニコ優しくしてりゃ当たり障りなく追い払えるしな。
お前の場合は無自覚で男落としてるからタチ悪いの」




そう言って長い手を伸ばしおでこに1つデコピンを食らわせられた。
痛い、地味に痛い。
涙目で軽く睨み付けると再びはーーーっと溜息をつかれた。



「全く効果ないからな、その睨み。
むしろ男にしてみれば可愛く思って襲われるぞ。
あぁ、わざとやってんのか、俺に喰べて欲しくて」



そのままガバッと抱き寄せられてベッドに押し倒される。
抵抗しようとして、隼人の顔を見て目を見開く。




「なに、抵抗しねーの?」




『だって隼人、凄い悲しそうな顔してる。
私が隼人にそんな顔をさせちゃったんだったら、抵抗出来ないよ』





/ 152ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp