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沖矢昴はお兄ちゃん【名探偵コナンR18】

第8章 盗まれたのは






この空気に耐えられなくなったので、先に口を開く。



『今日はありがとうございました、お食事楽しかったです。
もうそろそろ良い時間ですので、お暇致しましょうか』



さてここを立ち去るチャンスだとばかり立ち上がる、が、私もお酒をハイペースで摂取した為がグラリと視界が揺れる。
それに気付いた探が咄嗟に彼女の所まで行き受け止めた。
それはもう早乙女よりも早く、だ。
それを見て早乙女は少し面白くなさそうに眉根を寄せた。




「大丈夫ですか?
お酒の影響もありそうですが、やはりお疲れなのでしょう。
お部屋までお送りします」




そう言って抱き寄せられた。
そしてそのまま腰に手を当てて歩き出そうとしたが、スッと愛香を奪われてしまった。
後ろを見ると執事である早乙女が愛香をお姫様抱っこしている姿が目に入る。




「僕がお送りする、と言ったはずですが」



「いえ、私めは愛香様専用の執事ですから私にお任せを。
お客様である白馬様のお手を煩わせる訳にはいきません。
白馬様もお疲れでしょう、他の者で申し訳ないですがお部屋までご案内させていただきます」




「白馬様、こちらへどうぞ」




「…」



無言で見つめ合う2人。
やがて白馬の方が視線を逸らし、ふっ…と笑った。



「…仕方ありませんね、今日の所は引かせていただきます。
使用人の方の案内は不要です、私にはばあやが居ますから。
愛香さん、では失礼致します。」



そう言って部屋の前に待機していたばあやさんと共にドアの外へ消えていく。
私はお姫様抱っこされたまま黙って事の成り行きを見守るしかなかった。



『早乙女、降ろして』



「ダメだ、部屋まで送る」




あぁ、怒ってらっしゃる。
普段は私に対して意地悪やら何やらで腹黒満載だが、早乙女は滅多に起こらない。
ほらよく言うでしょ?普段怒らない人程怒らせたら怖いって。
触らぬ神に祟りなし…うん、今は大人しく運ばれる事にします。




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