第10章 最強タッグ(?)
顔が赤くなるのを隠す為に目を瞑り下を向く。
「ほぅ…案外君も大胆だな」
言葉の意味が分からず目を開ける。
その瞬間、意味を理解した。
目を開けるとそこには赤井の少し誇張しているモノがあった。
身長差があるとは言え、こんなに近くにあったのに驚きだ。
赤井は上半身は裸だが、下は履いていて助かった。
いや…シャワーのおかげでピタリと彼の身体にくっついている衣服がソレを際立たせ、更に濡れている演出のせいで余計にエロティックに見えて…。
「直接見てもいいんだぞ」
な、なにを言っているんですかっ、貴方は…っ!!!!
思わずツッコミたくなる程、私には破壊力が凄い発言だった。
下を向いたままフリーズしていたが、上からクスクスと言う笑い声が聞こえてふと上を向く。
目が合った瞬間、ニヤリとし
「冗談だ」
と言われた。
『か、からかいすぎじゃありません?!』
流石に今日の赤井秀一は意地悪過ぎる気がして、怒りが込み上げてきた。
そんな私の気持ちを汲み取ったのか、はたまた只の気まぐれなのか分からないが、赤井の身体が離れた。
急に離れたので身体の支えを失った私の身体は少しよろけたが、バランス感覚が良かったので倒れはしなかった。
「ふっ…後は自分で出来そうだな」
『…?』
言われてみれば先程赤井が離れた時に身体に力を入れたが、起きたての頃よりは幾分か身体が楽に動かされるようになっている。
温かいシャワーで身体が温まったからだろうか。
腕を上下に軽く上げ下げしてみる、うん、少し痛むが問題はない。
「俺は朝食を用意しておく。
何かあれば呼んでくれ」
そう言うので彼の方を見ると既にバスルームから出ていて、影しか確認出来なかった。
優しいのか、意地悪なのか…分からない人だな。
そう思いながら痛む身体を労りつつ身体を綺麗にしていった。