第7章 さよならは突然に
『お父さん達もこのまま家に戻られるの?』
「あぁ!紹介したい人物もいるしな、お前に話もある、一旦帰って後程また仕事に行くさ」
そう言い、皆んなで黒塗りの高級車に乗り込み家へと向かう。
プライベートジェット機やヘリコプター、多数の色々な車達はこの滑走路や離陸出来るこの場所にあるのだが、本家からは少し距離がある。
と、言っても同じ敷地内ではあるが。
一体何坪あるのか…怖くて聞けない。
座り心地の良い座席に腰掛け、たわい無い会話をしつつ車が走る事数分。
白塗りの大きな建物が見えてきた。
運転手がIDカードを読み込み指紋認証を終え、分厚い門が開く。
家の見た目だが、よくプリンセス映画とかに出て来るようなものを想像してもらって大丈夫だ。
あそこまでは大きくないが、その分頑丈に出来ていてセキュリティもバッチリ。
中世の技術と現代の科学を詰め込んだ世界に1つだけの城だ。
長い長い門から家まで続く道も終わり、そして玄関がある前に停まる。
車のドアが開くと、玄関の扉も開いて
おり、使用人達がズラリと並んで出迎えてくれた。
「「おかえりなさいませ」」
こんだけの人数が居ると正直ビクっとする程の音量になる。
まぁ、慣れているので気にはならないが。
早乙女が片手を上げて右に振り払うような動作をすると、使用人達がサササッと仕事に戻っていく。
こんな奴でも、ここでは使用人を束ねる執事長みたいなものだった。
早乙女はインターカム、通称インカムをオンにし、一言「準備を」
だけ言った。
インカムとは知ってると思うが、よくスタッフ達が意思疎通する為に使ってるやつね。
そして私達の前を歩き先導する。
着いたのは応接間だった。