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沖矢昴はお兄ちゃん【名探偵コナンR18】

第7章 さよならは突然に





私がFBIに入りこの家を出ようと思ったのは、親が嫌いだとかの理由ではない。
昔からスパイやら人助けやら爆弾処理やら、そうゆうのに憧れる女の子だったからだ。
勿論それだけが理由ではなく、それが理由の大部分を占め、後の残りは目の前で優雅に佇みこちらを見つめるこの男から離れる為だった。




思い出したくもない事だが、私のハジメテはこいつに奪われた。
それはもう全てのハジメテと言っても過言ではないくらいにだ。
その上、お父さんに婚約まで申し込み、それが受理されたのだ。
あの人面のいい笑みを浮かべて「お嬢様を昔からとても好いております。他の良からぬ輩から守る為にも私と婚約させてもらえませんでしょうか?」なんて言ったらしい。
本当に腹立たしいっ。




と、まぁそんなこんなでFBIに入り、実家には週末には顔を出すくらいには帰っていたが、コイツともそれ程顔を合わせる事もなくなり仕事も順調だった…んだが…。
そうある意味私が副業の情報屋を始めたのが間違いだったのかも知れない。
そのせいで黒の組織に目を付けられ、今現在に至っている。



説明が長々としてしまったが、話を戻そう。
早乙女が言うにはこうだ。



「ある匿名の男から愛香様はお父様にご連絡が来まして。
貴方の娘を預かっている、危険な奴等に目を付けられたからそちらに連れ戻し、奴等の目から遠ざけて欲しい、と。
どうやって御当主様の連絡先を入手したのかも分からない輩の戯言を信じる必要はないと申したのですが、御当主様は信じると仰いまして。
とりあえず御当主自ら向かわせる訳には行きませんので、私めがその男が指定した場所に向かうと、愛香様と女性の方が1人。
その女性はFBIと仰ってましたので、恐らく貴方様の同僚の方ですね。
あぁ、ちなみにその男に名前を聞くと、彼女のお兄様さ、と答えて電話は不通になりましたね。」



話から推測するに、女性はジョディで、お兄様と名乗る電話の男は赤井秀一で間違いないだろう。
お父さんの連絡先の入手は恐らくジェームスからだ。
ジェームスとお父さんは20年以上の友と聞いていたのでこちらも間違いないだろう。
ちなみに余談だが、FBIに推薦してくれたのは他でもないジェームスだった。



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