第1章 それは突然に
「…あの女の人…
愛香さんって言うんだけど…
自分は沖矢昴の妹だ、って言ってたんだ…」
「は…?」
一瞬沖矢の頭は混乱した。
当然だ、何故なら沖矢昴は赤井秀一であって、実在しない架空の人物なのだから。
なのに、目の前のコナンは今何と言った…?
沖矢昴の妹…?
ありえない。
沖矢昴は架空の人物であるからして、家族などいない。
つまり、その沖矢昴の妹だと名乗る彼女は存在してはならないのだ。
存在しない沖矢昴の妹だと主張している人物ーーー
組織の人間か…?いや、正体はバレていないはずなので、それはない。
ならば、安室透が仕掛けた人間か…?いや、彼女を使うメリットがない。
では彼女は一体何者なのだ。
何故沖矢昴の存在を知っていて、その妹と名乗っているーーー…
「(これは、直接聞く…しかなさそうだな)」
もう1つの仮説を立てながら、とりあえずは彼女にコンタクトを取ってみない事には始まらないようなので、ポアロに行く事を決意した。