第3章 それぞれの心中
「愛香」
『うひゃあお!?!?』
突然、すぐ隣から聞こえる声にまたもや奇声を出してしまった。
それと同時に驚きのあまり、ベッドから落ちてしまう。
「ほぉー、反射神経は悪くないようだな」
そこにはメイクオフした赤井秀一がいた。
(夜にメイクオフって女子かよ←)
『な、なんでここにっ…!』
「何度もノックしたんだがな。
返事がないので、入らせてもらった」
『いつから…』
「楽しそうに百面相をしていたのは見ていたが」
ほぼ最初から居たんですね!!!!!
と思ったのは言うまでもない。
『それで、なんの御用ですか…!』
ついさっきあった事件の事やら、色々な感情が渦巻き、少し口調が強くなった。
そんな彼女の感情を読み取ったか否か、赤井はフッと笑う。
「いや、風呂と夕御飯の準備が終わったのでな、呼びに来た。
俺は先にシャワーを済ませたから、ゆっくりするといい」
『あ…ありがとう』
少し面食らったが、お礼はちゃんと言わなければと思い感謝の言葉を言う。
案外優しい…らしい。
「ふっ…じゃあな」
『あっ!ま、待って!』
思わず帰るのを見届けそうになったが、聞こうと思っていた事を思い出し静止の言葉で引き止める。
彼は黙ってこちらを振り返った。
どうやら話の続きを促しているようだ。
『あ…えっと…。
わ、私、貴方に何かしたかしら!?
いや、だから、えっと…』
「君は無防備過ぎる」
『え…?』
「あのまま俺が止めていなかったら、君は安室透と一夜を共にしていたのか?
相手は組織の人間だぞ。
もっと警戒しておくべきだ。
俺に対してもそうだ。
俺も一応男なんでな…。
無防備に誘われると何をしでかすか分からんぞ」
『(心配…してくれた…?)
ごめんなさい…以後気をつけるわ…
彼にも、貴方にも』
『ふっ…そうしてくれ。
それと早く服を着るといい。
それともまた俺にお仕置きされたいのか?』
そう言われ、自分が下半身に何も身につけていない事を思い出す。
『〜〜〜〜っ!!!!』
怒りをぶつける為言い出した本人を睨むが、既にそこに彼は居なく
声にならない叫びが部屋にこだました。